2011年夏、Kaj Franck 100 years










Kaj Franckがデザイナーして携わった仕事はたくさんありますが、その代表的なのがARABIAとNuutajarvi(ヌータヤルビ、のちにiittalaと合併)でした。ヌータヤルビではカルティオの原型になるno.2744や今では高額で取引がされているKFシリーズのダブルデキャンターやボトルキャップがニワトリになっているポットなどが有名です。そしてARABIAでは今日、最も馴染みの深いTeemaの前身、KILTAシリーズなどベージックなデザインを多く手掛けました。





[ KF224 Woodcock ]
この2011年夏、ヘルシンキはDesign MuseoにてKaj Franck(カイ・フランク1911-1989)生誕100周年の記念作品展が行われました。

Kaj Franckは北欧デザインの黄金期といわれる1950年代を中心に活躍し、人々のライフスタイルにもっとも影響を与えたデザイナーのひとりです。日本でも馴染みのあるiittala社で、数多くのプロダクトが生産され続けられているデザイナーのカイ・フランク、作品展を通じて感じたことを記したいと思います









この同時期にNuutajarviやARABIAでいっしょに仕事をし活躍したデザイナーは数多いですが、AhoやUlla procope そしてSaara Hopeaなどがいます。また現在でもフィンランドで活躍している日本人テキスタイルデザイナーのFUJIO ISHIMOTOさんもKaj Franckを師事しいっしょに仕事をしたひとりです。





Kaj Franck with
Fujio Ishimoto



究極のシンプルなグラスと言われるiittala社のKartioの原型となったグラスは、Nuutajarvi社では一点一点手吹きによる手作りで作られていました。その独特な色合いや手吹きによる温かみから、現代においても人気が高いですが、そのデザインが今なお使い続けられているということに、kaj Franckのデザイン力の凄さが感じられます。


※1791年創業という歴史が作った職人の技術があってこそ、kaj Franckのデザインが活きたのかも知れません。



  

こちらは、馴染みの深いTeemaシリーズの原型となったFAシリーズのポットやKILTAシリーズです。

 

[ KILTAからTEEMAへ、使い続けられシリーズ ] 






当たり前の事なのかも知れませんが、「デザインには、その人の性格や考え方が形になるもの」ということを、Kaj Franck作品展を通じ、あらためて思い知った気がします。残された写真などで見るKaj Franckの肖像は、私だけかも知れませんが、どれも「ちょっと気難しいそうな」印象を受けます。定かではないですが、おそらく物凄く几帳面で繊細なところが多かったのではないでしょうか。そして作品において、絶対に妥協を許さない強い信念をもって向かい合ったと感じます。

無駄なものをすべて排除し、使い勝手や生産性にも考慮したと言われるKaj Franckデザインの数々は、見た目のデザインのみならず『使い続けられるデザインとは何か?』を追求した結果、半世紀以上たった今なお大切に扱われ、北欧諸国のみならず多くの人々の“何気ない日常”を豊かにしていったのですね。

※そんな反面、芸術的に優れたアートピース的な作品、バードや繊細な色付けをしたデキャンターなども数多く手掛けているところにKaj Franckの奥の深さといいますかデザイナーとしての凄さを感じられます。

                                            2011.夏 



[ 参考図書: KAJ & FRANCK | The Art of Glass Kaj Franck 100 years | KERAILIJAN AARTEET etc ]